コラム

● 歴史からたどる金管楽器の多彩な表情

● 人類と共に歩んだ金管楽器の軌跡 人類と共に歩んだ金管楽器の軌跡
メタルのきらめきに多彩な音色を持つ金管楽器は、デザインやサイズ、音域も実に個性的です。
吹き口にマウスピースを取り付ければ、あとは息と唇の振動だけで音を出すしくみで、お腹の底に響くような重低音から、進軍ラッパのように勇ましく鋭い音までを出すことができます。
ほとんどの金管楽器は真鍮(ブラス)またはニッケルの合金素材から作られ、金色や銀色の輝きはオーケストラピットでひときわ存在感を放っています。
トランペットは、その原型が古代エジプトの壁画にも登場するほど古く、まさに人類の歴史と共に歩んできた楽器です。
華やかなファンファーレを想像すると分かるように、硬質で遠くまで響くトランペットの高音域は、人の注目を引きつけてドラマティックなインパクトを与えます。
まさに「看板役者」的な明るさ、派手さのある存在と言って良いでしょう。
コルネットやフリューゲルホルンなどもトランペットの仲間ですが、それぞれ音色がわずかに違います。

● 個性で聴き比べる金管楽器の世界 個性で聴き比べる金管楽器の世界
ホルン(フレンチホルン)は、「大人の落ち着き」のようなものを感じさせる、柔らかく優しい音色が特徴です。
「ホルン」が動物の角を意味するように、角笛をルーツとする歴史の古い楽器で、芸術的な丸いデザインはロゴマークやアクセサリーなどのモチーフとしてもよく見かけます。
もともとホルンは、遠くまでよく響くので通信や合図の手段に使われる道具として発展したものです。
理論的には、スイス名物の「アルペンホルン」の管を曲げて丸めたものが現在の一般的なホルンの形、と考えれば分かりやすいでしょう。
大きなベル(朝顔)に手を入れると音のニュアンスを調節できるので、好みの奏法を研究する楽しみがあるのもホルンの魅力と言われます。
トロンボーンは、中低音が守備範囲ですが、スライドを伸縮させることでかなり広音域をカバーすることもできる楽器です。
チューバは金管楽器の中でも最大で、太い低音域を受け持ちます。
大きなボディながら脇役的なイメージを持たれがちなチューバですが、オーケストラの演奏に厚みを持たせるのになくてはならない存在です。
吹奏楽では定番のユーフォニアムは最も新しい楽器で、チューバよりひと回り小さいのでテナー・チューバと呼ばれることもあります。
これらの金管楽器は、クラシック音楽だけでなく、ジャズや軽音楽のジャンルでも強い存在感を示し、楽器の表現の可能性が無限であることを教えるかのようです。

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