コラム

● ベートーヴェンの「第九」が日本で特に好まれるのはなぜか

● 第九が好き過ぎる日本人って一体? 第九が好き過ぎる日本人って一体?
クラシック音楽に詳しくない人でも、ベートーヴェンの「第九」を知らない人はごく少数派でしょう。
古典派以前のあらゆる音楽の集大成とも言われる総合性を備え、来るべきロマン派音楽の道しるべともなった通称「第九」は、正しくは「交響曲第九番ニ短調作品125」という楽曲で、実はベートーヴェンが表題をつけてはいない楽曲です。
ベートーヴェンにとって第九は生涯最後の作品で、交響曲第十番は断片的な譜面が現存しているのみと言われます。
第九の第4楽章は、シラーの詩による独唱や合唱を伴う「合唱付き」と言われる楽曲で「歓喜の歌」という主題で親しまれています。
年末になると日本各地で第九の演奏会が開かれ、普段はクラシック音楽にあまり興味がない人も年越しの風物詩的に演奏会に出かけたり、テレビでの中継方法を観ることが多いようです。
実は、ベートーヴェンの生国であるドイツでは、大晦日に第九を演奏する習慣は特にありません。
戦時中に日本の捕虜収容所に捕らえられていたドイツ人捕虜が演奏したことがきっかけで日本国内に第九がもたらされ、徴兵のため年末に卒業式が行われた際に学生たちが第九を演奏したことが、日本で「年末には第九」という習慣の素地になったとの説が有力です。
日本人の第九好きは、ドイツの音楽関係者も驚くほどといいますから、世界的に見ても日本は格別に第九が好きな人種だと言えるでしょう。

● 年越し気分を盛り上げる第九の底力 年越し気分を盛り上げる第九の底力
本場ヨーロッパでは、ベートーヴェンの第九ではなく、ヘンデル作曲の「メサイア」が好んで演奏されているので、「年末には第九」という習慣があるのはどうやら日本だけのようです。
では、なぜ日本で第九が好まれるのでしょうか?
これには、第九で歌われる歌詞が関係していると言われています。
第九で歌われる歌詞は、シラーの詩の「歓喜に寄す」からの引用で、「歓喜」や「天使」といった、とてもおめでたい言葉やフレーズがたくさん登場します。
「歓喜の歌」とも言われる第九の第四楽章は、欧州連合の統一性を象徴する歌として採択されているほど、ヨーロッパでは特別な意味を持つ歌なのです。
日本において、清々しく新年を迎えるにあたってふさわしい楽曲として第九が支持されているのは、特に四季のうつろいや時節の行事を重んじる日本人の好みにマッチしたからなのかも知れません。
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